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ISSUE / 2026.10.23

KO-TEN/交点|case1さらさ×ie×PROVO

KO-TEN/交点|case1さらさ×ie×PROVO
KO-TEN/交点|case1さらさ×ie×PROVO

交わり、そして新しい価値観が生まれていく。
人と人。それぞれの感性。その交わりから、次の札幌が生まれていく。

札幌PARCOは編集します。
札幌の文化を体現する人。そして、これからの札幌をつくっていく人。
音楽、ファッション、アート。そしてまだ名前のない何か。

「KO-TEN」は、札幌で活動するさまざまな人や感性が、PARCOを起点に交わり、街へとひらいていく編集型Collective。
PARCOが、札幌の「交点」になる。

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今回はアーティスト・さらさとともに、ieやPROVOという場所、過去と現在をつなぐファッション、そして人が同じ場所に集まることの意味を辿る。さらさの視点を通して見えてくる、札幌の面白さと、これからPARCOが生み出せる出会いとは。

Staring
SALASA
Photographer
Keita Muraki
Directer of photography
sokoniaru
1st AC
Hiroto Miyazaki
Graphic Designer
Kazusa Mor
Stylist
t_k___c__
Hair&Make up
mao
Writer/Interviewer
Satsuki
Director
sokoniaru
Location1
ie
Location2
PROVO

 

01. 同じ時間、同じ場所を共有するということ。

ライブに足を運ぶ。ギャラリーを訪れる。気になっていた場所へ出かけてみる。オンラインでさまざまな情報に触れられる時代だからこそ、実際にその場所へ行き、同じ空気を共有することには特別な意味がある。 さらさは、ライブを通じて人が集まることの価値をどのように感じているのだろうか。

― 札幌PARCOはカルチャーの発信地として、札幌の面白いカルチャーのある場所へいろんな方に赴いてもらえたらと思っています。さらささんご自身が、その場所へ赴いたからこそ得られたと感じる経験はありますか。

そうですね、それこそライブとかって自分で足を運ばないと体験できないことじゃないですか。やっぱりこう足を運ぶまでって面倒くさかったり、そういういろんなことを乗り越えて、人がそこに集まるときのワクワク感とか、そこに発生するエネルギーってやっぱり何にも変えがたいなっていつも思っていて。

ライブで1~2時間って同じ時間を共有するっていうのは、本当にいつも宝物みたいな時間だなって。同じ時間、同じ場所で共有しているっていうことの美しさみたいなものを、いつも実感するからだなとはすごく思います。もちろんYouTubeやSNSがあって、距離のある人にも届くこともすごくいいことだなと思うんですけど、同じ空気を共有することとは明確な差があるなっていつも思っています。

― 最近は簡単にオンラインで繋がったり、知ることができますけど、実際にオフラインで、リアルの場所で経験することの特別さは、より色濃くなったような気がしますね。ライブで各地へ訪れる際もやはりそのように感じますか。

そうですね。ライブで各地へ行くときも、やっぱりなかなか都内近郊に来ることができない方に会えるっていうのは、私もすごい励みになっているというか。遠いところにも自分の曲を聴いてくれている人がいるんだっていつもすごい嬉しく思います。

すごく大変だったり来るのに労力がいるのに、音楽を聴きにここまで集まってくる人がいるっていうのって、やっぱり私としてはお客さんを見ていてかっこいいなと思います。

ここまで音楽聴きに来た、ってすごいかっこいいなって思うし、自分も元気をもらうし。同じ場所に集合できるっていうのは、めちゃくちゃ幸せなことだなと思います。

02. その場所にしかない空気を、訪れて感じる。

場所の魅力は、写真や情報だけでは伝えきれない。実際に足を運び、そこに流れる空気に触れることで、初めてわかることもある。今回の撮影場所となったieとPROVO。札幌で独自の空気を育んできたふたつの場所は、さらさの目にどのように映ったのだろう。

― 今回の撮影場所のieは初めてだったと思うのですが、訪れてみていかがでしたか。普段はギャラリーなど行かれたりしますか。

名前どおりで、本当に思ったよりお家感が強くて面白かったです。でもなんかそれがいいですよね。リラックスできて、すごく素敵だなと思いました。

昔美術系の大学に入って、その後は油絵の私塾とか、現代アートの美学校に通っていたので、その頃はギャラリーなど行くことも多かったです。

― アート界隈にも馴染みがあるのですね。PROVOは何度かいらしたことがありますか。

一度ライブしたことがあります、友達のライブのコーラスで。

saccharinっていうShe Her Her Hersのドラムのたいちゃんがやっているソロプロジェクトにたまに呼ばれると出動するんですけど、そのとき以来ですね。こちらも素敵な場所ですよね。

03. 過去の服と、今の感性が出会う。

今回の撮影では、unpluggedのオーナーであるt_k___c__によるスタイリングを通して、過去と現在の感性をつなぐ試みも行った。
着用したのは、2000年代に札幌PARCOで販売されていた服。かつてPARCOに並んでいたアイテムが、今を生きるアーティストの感性と出会う。そこには、時代を超えて新しい見え方が生まれる面白さがある。

― 今回それぞれの場所で着用いただいたunpluggedのスタイリングは、「古き良きものに回帰 し、そこから新しいものを作り出す」というテーマで、さらささんのイメージにもフィットするという想いから選定されたそうです。実際に2000年代に札幌PARCOで販売されていたお洋服なのだそうですが、着用されてみていかがですか。

可愛いですし、そのストーリーの組み方がすごく素敵ですよね。私の音楽も結構1990年代後半から2000年代の日本の音楽にすごく影響を受けているので、そこもすごく合うなと思っていて、嬉しかったです。

― 音楽性とも融合されていて、とても素敵です。普段プライベートのファッションやステージン グでの衣装のこだわりなどはありますか。

プライベートではあんまりスカートとかは履かなくて、パンツやデニムを履くことが多いです。大きいメンズサイズのデニムとかが好きで、1年の半分以上デニム履いている気がします。

ステージでは、そのときに何着ているかで心理的にパフォーマンスのしやすさとか歌いやすさがすごく変わっちゃうので、自分の内側のアイデンティティみたいなものとあんまり外れないようにしてもらうのは、すごく意識しています。

結構ボーイッシュというか、あんまり女性性が前に出ないものじゃないと歌う気になれなくて。ステージングに響くし、なんか見え方と思っていることが違うっていう感じがしてくるので、そういうところはいつも担当してくれているスタイリストと話し合います。

04. 自分の感性を、自分の言葉で表現する。

音楽、ファッション、アート。それぞれのジャンルを横断するさらさの視点を、もう少し深く辿ってみたい。自分らしさとは何か。何者かになろうとすることから離れ、自分の内側にある感情をそのまま見つめること。さらさの表現の背景には、そんな姿勢がある。

― さらささんが音楽活動を始めたきっかけやエピソードを教えてください。

最初は高校の軽音楽部に入ったのがきっかけで、ちゃんと歌うことを始めたって感じでした。ジャムセッションをする部活で、昔の曲とかを練習してセッションしたり、高3のときに外部のセッションにも行くようになりました。人前に立つこと自体は、子供の頃からフラダンスやその他のダンス、ミュージカルとかをしてきて、なんだかずっと舞台に立ってきたので、自然と好きだったなと思います。

― 実際にご自身で楽曲を作ろうと思ったのはいつ頃からですか。

19歳ぐらいのときかな。2019年とかにセッションあんまり向いてないなと思って、じゃあ曲作ってみるかみたいな感じで始めて作ったのが「ネイルの島」っていうデビューシングルになっている曲です。

今のセッションってもうちょっとフランクにできるのかもしれないけど、当時はちょっと前の世代の厳しかった時代の名残みたいなものがやっぱりあって。あんまり人と関わってやるっていうよりも、自分の世界でやりたいなみたいなのがあったと思います。

― 「ネイルの島」の歌詞の「何者にもならなくていいと知った」という言葉がすごく印象的でした。人前ではつい「何者かにならなくては」という気持ちが付きまとってしまいそうですが、そうすると一気に生まれてしまう息苦しさみたいなものに、その頃から向き合われていたのかなと感じていました。

そうですね。あんまり人に評価されることとかって意味ないなって思ったのがたぶん2018年とかの曲作り出す前で、そこからですね。そこから自分の曲を作ろうと思い始めました。

― 2026年8月にリリースされたミックステープEP『Live Bluesy』ですが、タイトルとなっている“Live Bluesy”という言葉は、さらささんご自身を表すもの、そして創作するうえでも大切にされているテーマなのだろうなと感じています。

“Live Bluesy”って言葉は、音楽活動を始める前からインスタのプロフィールとかに、そのときは日本語で“ブルージーに生きろ”みたいに使って書いていました。

音楽のジャンルのブルースから来ているんですけど、自分自身を表す単語として一番親近感が湧く単語ってなんだろうって思ったときに、“Bluesy”だなってそのときは思って。

自分の個性とか、自分のスペシャリティだなって思う部分って、結構ネガティブな感情とかネガティブな出来事っていうことがあって。自分の個性を作ってくれたりとか、自分自身を成長させてくれたりとか。そういうアイデンティティを形成するためにすごく重要なことだったけど、ネガティブな感情や人とかって、ちょっと敬遠されたりとか、何かとこう良くないものとして使われがちだなと思っていて。

でも自分にとってはすごく大事なことだし、それがあったから今があると思うから、なんかこう結構アンチテーゼっぽく使っていたなと思います。ネガティブで何が悪いんだろうみたいな意味合いで、あえてそういう言葉を使っていました。

― さらささんの楽曲の中にある陰りのニュアンスは、リスナーが自分の中にもそういう“Bluesy”もあるよね、ということに気づかせてくれるというか。それでも強く美しくいこうよ、という気持ちにさせてくれる気がします。

そうですね。何があっても基本は生きるしかないって思ったときに、ネガティブな部分っていうのを受け入れるまでできなくても否定しないでいるっていうことが、自分の個性になるかなというか、必要なことだったなってすごく思っています。

05. PARCOが、次の出会いの入口になる。

自分で足を運び、実際に体感することで、初めて見えてくるものがある。そして、そのきっかけは、必ずしも自分ひとりで見つける必要はない。

誰かに教えてもらう。偶然目にする。知らなかったものに興味を持つ。PARCOが人や場所をつなぎ、まだ知らないカルチャーと出会う入口になるとしたら、どんな場所であってほしいだろうか。

― さらささんから見て、若い世代の人たちが音楽でもアートでも、よりカルチャーに触れていくにはどうしたらいいと思いますか。

なんかでも好きな人はたぶん自分で動くって思っていて。ライブもそうですけど、やっぱり生で実際に体感していいなって思ってくれる人たちが、どんどん若い世代でもずっといてくれたらいいなって思いますね。

なかなかライブに行ったことないという方も多いので、自分のライブがそういうきっかけになってくれたりしたらいいなと思っています。

― 札幌PARCOはその窓口を広げたい想いがあるのですが、カルチャーを繋ぐ、交差する場所として、 PARCOがどんな場所であったらいいなと思いますか。

それこそ北海道の方や学生さんはなかなか東京のイベントとかライブへ行けないじゃないですか。PARCOに行けばそういう今盛り上がっているものが実際に見れる、っていう場であったら素敵だろうなと思うし、実際に自分がPARCOに行くときとかってやっぱりそういう感覚で行っているなと思います。

でもアーティストはね、イベントなど呼んでいただいたら結構みんな喜んで行くと思うので、来てくれる人も増えて、そういう機会がたくさんあったらいいなと思います。

― そういう場所があると、アーティストの方もどんどん交わっていけるのかと。

そうですね。なんかこう、いろいろ地方の面白いイベントとか呼んでもらえるとすごい楽しいなと思って。いつも楽しんで帰るのですごい。

特に若い人とかがやっているようなイベントとかって、すごくみんなやる気に満ち溢れていて、エネルギッシュで。で、同世代で自分が住んでいるところと離れたところにいる人たちと交流できるのも楽しいので、どんどん地方の若い人たちがイベントとか組んでくれたら嬉しいなと思っています。

人と場所が出会い、そこに新しい視点が加わる。そこで生まれた面白さが、また別の誰かへと伝わっていく。

PARCOが目指すのは、すでにある面白さを紹介するだけではなく、人や感性をつなぎ、その交わりから新しい出会いを生み出すこと。

さらさの視点を通して見えてきた、札幌の場所が持つ個性や、同じ時間と空間を共有することの価値。そうした出会いの入口がPARCOに増えていくことで、まだ知らなかったものに触れるきっかけも、きっと増えていくはずだ。

PROFILE|

さらさ

自由な発想とユニークな視点を持つ湘南出身のシンガーソングライター。SOUL、R&B、ROCKなど、あらゆるジャンルを内包しつつどこかアンニュイなメロディと憂いを帯びた歌声で聴くものを虜に。2026年8月「Live Bluesy」にてEPICレコードジャパンよりメジャーデビュー。リード曲「風になる」は各チャート上位にランクイン。10月からは東名阪ツアーも予定。

“Live Bluesy”

悲しみや落ち込みから生まれた音楽のジャンル・ブルースに影響を受けた自身の造語“ブルージーに生きろ”をテーマに、ネガティブな感情や事象をクリエイティブへと転換し肯定する唯一無二のアーティスト。

new release「そばにいて」

2026年10月14日(水)、新曲「そばにいて」を配信リリース。

SHOP & OWNER|

▪SHOP「ie」
Instagram
https://www.instagram.com/ie_sapporo/
▪SHOP「PROVO」
PROVOは、2003年オープンの札幌市中央区にあるインディペンデントなバー・クラブであり、野外オールナイトロックフェスティバル「RISING SUN ROCK FESTIVAL (RSR)」の常連出店ブースおよびステージを手がけています。
▪OWNER
「吉田龍太」
小樽出身。
大学時代、現在もFM NORTH WAVEでの番組を続けている”College Radio Japan Sapporo”を立ち上げ、RSR、東芝EMI、某プロダクション業務に従事、BARスタート。 卒業後すぐにPROVOを立ち上げ23年…
Instagram
https://www.instagram.com/provo_sapporo/
▪SHOP
「unplugged」
3条通りの西8丁目エリアにある国内ブランドを中心としたセレクトをしているショップです。店舗ではアメリカ/ヨーロッパなどで買付してきた、古着とアンティーク家具なども取り扱っております。
▪OWNER「t_k_c」
小樽出身。
unpluggedのmanager兼buyer担当 また、outernet名義で古物などを引用してさまざまな仮設空間を不定期つくる外部活動をしている。
Instagram
https://www.instagram.com/unplugged.sapporo/