坂東龍汰×島村楽器|心を動かす、“表現する喜び”に出会う


ギターに手を伸ばした坂東龍汰さんの表情は少年のようだった――。役を生きる俳優としてだけでなく、あらゆる形で表現することに向き合ってきた彼にとって、その姿はまさに“生きる喜び”そのもの。“音楽を楽しむ人を一人でも多く創る”をモットーに、音楽を愛する人に新しい喜びを提供する「島村楽器」を訪れた彼が魅せた新しい顔。演じること、奏でること…表現者として生きる心と等身大の素顔に迫ってみた。
- Photo
- Sachiko Saito
- Stylist
- lee yasuka
- Hair&Make
- Fumiya Minami
- Text
- Hisako Yamazaki
- Edit
- Mariko Araki , Naoko Kinoshita(RIDE)
ヴィンテージからリーズナブルなモデルまで
札幌市内でも随一のギター専門店
“音楽を楽しむ人を一人でも多く創る”をモットーに、音楽を愛する人へ総合的なサポートを行う国内最大の総合楽器店である「島村楽器」。札幌PARCO 7Fのギターフロアは、Martin、Gibson、Fenderをはじめとする海外有名メーカーから国内ハイエンドモデル、コンポーネントブランドを中心に道内随一の品揃えを誇り、ギターファンから愛されるスポットに。貴重なヴィンテージや専門店ならではの調整された中古楽器も多数取り扱い、エフェクターなどギター周辺機材やアクセサリーも豊富に取り揃えているほか、ギターリペアブースを設置。楽器の修理や改造の相談も専門スタッフが対応するなど、ギターのある生活を全方位からサポートしてくれる。
「坂東さんに触っていただきたいギターがあります」と、副店長が坂東龍汰さんにギブソン・カスタムの最高峰「Gibson 1959 Les Paul Standard Reissue VOS Factory Burst NH」を紹介すると、「アンプにつなげてもいいですか? こんな素敵なギターをかき鳴らしてみたい!」と坂東さん。慣れた手つきで弦を押さえながら、「中学生の頃、Green Dayの“American Idiot”をよく弾いていたんですよね」とイントロを弾き始め、アンプからの振動や指先からボディ全体に伝わる弦の振動をとても楽しそうに噛み締めた。




なにげなく鳴らす音色にも、心を動かす力を宿す
ギブソンのアコースティックギター
ショップをクルーズしながら、アコースティックギターのセクションで立ち止まり、「アコギをどれかひとつ触ってみてもいいですか?」と坂東さんからリクエスト。副店長さんが彼に紹介したのは、ギブソンの上位モデルとして知られている1962年に登場したスクエアショルダー型のアコースティックギター「Gibson Dove Original Ebony」。鳩と花が描かれた大きいピックガード、2羽の鳩がデザインされているブリッジなど上位機種らしい細部にこだわった装飾が特徴だ。その美しいルックスから世界中でもファンが多く、日本では桑田佳祐さんや浜田省吾さんも愛用していることで知られている。
弾き始めると「Amazing! すごく軽い。このギター、音がものすごくヤバい!」と、その倍音豊かなギターの響きに感動した様子。「ギターの音色って本当にすごくいいんだなって、あらためて感じました。僕あまりエレキは弾けないのですが、アコギは自宅にあって。今日、触らせていただいた『Gibson Dove Original Ebony』は、格の違いを体感できました。ジャラーンとやったときの響きが全然違って!ボディの中で響く感じとか『わぁ、欲しい!』と思っちゃいました。最近、カメラを購入したばかりだったので、次にお金を貯めてこのギターを買いたいな」




「音楽はひとつの共通言語。だから世界中
どこに行っても、音があるだけで仲良くなれる」
札幌PARCO 6Fの島村楽器は、最先端のデジタルミュージックに対応する豊富な品揃えに加え、道内随一のRolandのデジタル商品を体験できる「ローランド・プラネット」を展開。専門スタッフが購入前の相談や様々なシステム提案、購入後の操作方法などもフォローし、訪れる人々の音楽のある生活をバックアップしてくれる。また、もっと音楽を楽しめるようにスタジオ(レンタルスタジオ)も併設し、アンプやPA、ドラムセットが完備され、バンド単位やあるいは個人での音合わせ、楽器演奏や練習などが可能に。坂東さんはスタジオに入ってドラムの椅子に座ると、「これ、ちょっと高いね」とドラムを調整。遊び心たっぷりにスティックで激しくドラムを叩き、「あらためて、楽器って楽しいね!」と笑顔で語った。
「ギターもピアノも弾けて、ドラムも叩けて、今日はすごく楽しかったです。楽器を触るのは、やっぱりとても面白い。音楽はひとつの共通言語。だから世界中どこに行っても、音があるだけで仲良くなれる。楽器ひとつあれば、みんなと遊べるし。言葉が通じなくても楽しめるということが、僕が音楽を好きになったきっかけでもあり、これから先も今日みたいに、楽器に触れただけで得られる喜びを大切にしたいなと思います」







坂東龍汰の心を象る言葉――
「一生懸命はあたりまえ。そこからです」
彼が俳優としての道を歩み出したのは、8年前の20歳の頃。初めて仕事をした日のことは、今でも鮮明に覚えているという。
「『パンク侍、斬られて候』(2018年公開)という映画にエキストラで行ったのが初めての仕事でした。ふんどし一丁で体を真っ黒に塗って、お腹に白い渦巻きを描いて(笑)、何百人というエキストラさんの中で2日間踊るというのが僕の役でした。もう自分が主人公だと思って、めちゃくちゃ楽しんだ。当時、『まず、現場を見てみたい!』という気持ちがすごくあって。浅野忠信さん、綾野剛さんや北川景子さんが目の前でお芝居されている姿を見て、『こんな世界に、僕もいつか入ってみたい』と感じたんです」
28歳になった現在も、初心に感じた楽しさや喜びは変わらないそう。
「あれから8年経っても、根本的な部分は変わっていないと思います。今も現場はとても楽しいし、いつだって何もかも新鮮に感じます。俳優という仕事は、見えない部分はとても地味なことの繰り返し。日々、ときには鬱屈としながら取り組む役作りに費やす時間の方が実は多く、現場は一瞬で終わる。でも僕にとっては、『楽しめたな!』と感じられる喜びのほうが圧倒的に多いですね。『一生懸命はあたりまえ。そこからです』と、上京する前に担任の先生に言われた言葉がずっと心に残っていて。『一生懸命は、あたりまえなんだ!』って、なんかハッとしたんですよね。それからですね、ここぞという時にやれる人間でいたいなと思ったのは」



- ショップ名
- 島村楽器 札幌パルコ店
- フロア
- 本館 6・7F
- 電話番号
- 011-214-2391
- 公式ブランドサイト
- https://www.shimamura.co.jp
- 公式SNS
- Instagram(@shimamuramusic)
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坂東龍汰
1997年5月24日生まれ、アメリカ・ニューヨーク生まれ、北海道育ち。2017年に俳優デビュー。映画初主演を務めた『フタリノセカイ』(2022年)で、第32回日本映画批評家大賞の新人俳優賞(南俊子賞)を受賞。主な出演作に、『若武者』、劇場アニメ『ふれる。』、ドラマ『ライオンの隠れ家』(すべて2024年)など。今年1月に公開した『君の忘れ方』で、映画単独初主演を務め、現在公開中の映画『ヒックとドラゴン』ではヒック役の吹き替えを担当。10月31日(金)には、映画『爆弾』公開予定。10月6日(月)から放送されるドラマプレミア『シナントロープ』(テレビ東京系)にも出演。
Instagram(@ryota_bando)